アメリカ株の暴落の年表
「リーマンショックで株価はどれくらい下がったのか」「何年で戻ったのか」。 暴落の話は、記事によって数字がばらばらに見えることがあります。 多くの場合、どこからどこまでを、どの値で測ったかが違うためです。
このページでは、アメリカの代表的な株価指数であるS&P500の暴落を、1つの物差しで1つの表に並べます。 物差しは「月の平均値」です。1929年の世界恐慌から2022年まで、すべて同じ定義で測っています。 回復までの期間は、配当なしと配当込みの両方で出しています。
暴落の年表(S&P500、1871年〜の月次データから)
| 暴落 | 高値の月(月平均) | 安値の月(月平均) | 下落率 | 回復までの期間(配当なし) | 回復までの期間(配当込み) |
|---|---|---|---|---|---|
| 世界恐慌 | 1929年9月(31.3) | 1932年6月(4.8) | -84.8% | 22年3か月(1954年9月) | 12年7か月(1945年1月) |
| 1937〜42年 | 1937年2月(18.1) | 1942年4月(7.8) | -56.7% | 4年0か月(1946年4月) | 1年3か月(1943年7月) |
| 1946〜49年 | 1946年5月(18.7) | 1949年6月(14.0) | -25.3% | 1年0か月(1950年6月) | 0年4か月(1949年10月) |
| 1961〜62年 | 1961年12月(71.7) | 1962年6月(55.6) | -22.5% | 1年3か月(1963年9月) | 0年10か月(1963年4月) |
| 1966年 | 1966年1月(93.3) | 1966年10月(77.1) | -17.3% | 0年10か月(1967年8月) | 0年6か月(1967年4月) |
| 1968〜70年 | 1968年12月(106.5) | 1970年6月(75.6) | -29.0% | 1年9か月(1972年3月) | 0年9か月(1971年3月) |
| ニフティ・フィフティ崩壊/オイルショック | 1973年1月(118.4) | 1974年12月(67.1) | -43.4% | 5年7か月(1980年7月) | 1年7か月(1976年7月) |
| 1980〜82年 | 1980年11月(135.7) | 1982年7月(109.4) | -19.4% | 0年4か月(1982年11月) | 0年3か月(1982年10月) |
| ブラックマンデー | 1987年8月(329.4) | 1987年12月(241.0) | -26.8% | 1年7か月(1989年7月) | 1年5か月(1989年5月) |
| 1990年 | 1990年6月(360.4) | 1990年10月(307.1) | -14.8% | 0年4か月(1991年2月) | 0年4か月(1991年2月) |
| ITバブル崩壊 | 2000年8月(1,485.5) | 2003年2月(837.0) | -43.7% | 4年3か月(2007年5月) | 3年8か月(2006年10月) |
| リーマンショック(世界金融危機) | 2007年10月(1,539.7) | 2009年3月(757.1) | -50.8% | 4年0か月(2013年3月) | 3年5か月(2012年8月) |
| 2011年 | 2011年5月(1,338.3) | 2011年9月(1,173.9) | -12.3% | 0年5か月(2012年2月) | 0年5か月(2012年2月) |
| 2018年 | 2018年9月(2,901.5) | 2018年12月(2,567.3) | -11.5% | 0年4か月(2019年4月) | 0年4か月(2019年4月) |
| コロナショック | 2020年1月(3,278.2) | 2020年3月(2,652.4) | -19.1% | 0年5か月(2020年8月) | 0年5か月(2020年8月) |
| インフレと利上げ | 2021年12月(4,674.8) | 2022年10月(3,726.1) | -20.3% | 1年2か月(2023年12月) | 1年2か月(2023年12月) |
回復までの期間は、安値の月から数えています。かっこの中は、高値の月の値を初めて上回った月です。
月の平均値で測っているため、日々の値で測った下落率より小さく出ます。 この表は、すべての行を同じ定義・同じ関数で生成しています(定義は下の「定義」の節)。 過去の数字で、将来を保証するものではありません。税・手数料・為替は含みません。
それぞれの暴落
世界恐慌(1929〜1932年):配当なしでは戻るまで22年
世界恐慌は、1929年10月の株価の大暴落から始まりました。 月平均で見ると、高値は1929年9月、底は1932年6月で、下落率は-84.8%です。この表の中で一番大きな下落です。 配当なしの指数が1929年9月の高値に戻ったのは1954年9月で、底から22年3か月かかりました。 配当を入れ直した場合は1945年1月に戻っていて、底から12年7か月です。配当込みかどうかで、10年近く差がありました。 その後、1937年2月からもう一度大きく下がり、1942年4月まで-56.7%の下落が続きました。このときも配当込みでは1年3か月、配当なしでは4年0か月で高値に戻っています。
ニフティ・フィフティ崩壊とオイルショック(1973〜1974年):配当なしでは5年以上
1972年は、コカ・コーラなど「ニフティ・フィフティ」と呼ばれた人気の大型株に買いが集中した年でした。 1973年にはアラブ産油国が石油を禁輸し、原油価格が急騰します。1974年には物価の上昇が2桁になり、ニクソン大統領が辞任しました。 月平均では1973年1月の高値から1974年12月の安値まで-43.4%です。 配当なしでは高値に戻るまで5年7か月かかりましたが、配当込みでは1年7か月で戻っています。配当を入れ直すかどうかで、回復の見え方がここまで変わります。
ブラックマンデー(1987年):1日の暴落、月平均では-26.8%
1987年10月19日、ブラックマンデーで株価が大暴落しました。 月平均では、1987年8月の高値から12月の安値まで-26.8%です。 1日で大きく下がった暴落なので、月の平均値で測ると、日々の値で測るより下落率がかなり小さく出ます。 高値に戻るまでは、配当なしで1年7か月、配当込みで1年5か月でした。
ITバブル崩壊(2000〜2003年):3年近く続いた下落
2000年3月、ナスダックが天井をつけ、ネット株のバブルが崩れ始めました。 2001年には同時多発テロとエンロンの破綻、2002年にはワールドコムの破綻と、会計の不正が続きます。 S&P500の月平均は2000年8月が高値で、2003年2月の安値まで-43.7%下がりました。 高値に戻るまで、配当なしでは4年3か月、配当込みでは3年8か月です。
リーマンショック(2007〜2009年):戦後で一番大きな下落
2007年にサブプライム住宅ローンの問題が表に出て、2008年にリーマン・ブラザーズが経営破綻しました。 2009年にはGMとクライスラーが経営破綻し、FRB(アメリカの中央銀行)は国債などを大量に買う量的緩和を広げました。 月平均では2007年10月の高値から2009年3月の安値まで-50.8%で、この表では1937〜42年より後で一番大きな下落です。 高値に戻ったのは、配当なしで2013年3月(底から4年0か月)、配当込みで2012年8月(底から3年5か月)でした。
コロナショック(2020年):大きく下がり、5か月で戻した
2020年、新型コロナウイルスが世界中で大流行しました。 FRBはゼロ金利と無制限の量的緩和に踏み切り、2.2兆ドルの経済対策(CARES法)も成立します。 月平均では2020年1月の高値から3月の安値まで-19.1%です。短い期間に急に下がったため、日々の値で測るとこれより大きな下落になります。 配当なし・配当込みのどちらでも、2020年8月、底から5か月で高値を上回りました。戻りが速いと、配当の差はほとんど出ません。
インフレと利上げ(2022年):1年2か月で戻った2割の下落
2022年は、インフレが約40年ぶりの高さになり、FRBが数十年ぶりの急ピッチで利上げをした年です。 ロシアのウクライナ侵攻もこの年でした。 月平均では2021年12月の高値から2022年10月の安値まで-20.3%です。 配当なし・配当込みのどちらでも、2023年12月、底から1年2か月で高値を取り戻しています。
名前のついていない下落
表の16行のうち、9行はよく知られた暴落の名前がついていない下落です(1937〜42年、1946〜49年、1961〜62年、1966年、1968〜70年、1980〜82年、1990年、2011年、2018年)。 それでも、どれも月平均で10%を超えて下がり、1937〜42年は-56.7%、1968〜70年は-29.0%、1946〜49年は-25.3%まで下がっています。 1929年から2022年までのあいだに、2桁の下落は数年から十数年に一度の割合で起きてきた、というのが歴史の数字です。
定義
- 高値の月:暴落の前で、月平均の値が一番高かった月です。
- 安値の月:高値の月のあとで、月平均の値が一番低かった月です。
- 下落率:高値の月の値から、安値の月の値までの変化です。
- 回復:月平均の値が、高値の月の値を初めて上回った月です。配当込みは、配当を入れ直した総収益指数で同じように見ます。表の期間は、安値の月からその月までの長さです。
- 配当:Shiller のデータにある12か月分の配当を12で割り、毎月入れ直したものとして計算しています。
月の平均値なので、1日の中や月の途中の高値・安値は表に出てきません。 そのため、日々の値で測った下落率より小さく出ます。
データと出典
- S&P500の月平均価格・配当・CPI:Robert Shiller 教授のデータ(shillerdata.com、
ie_data.xls、1871年〜)。取得日は2026年10月26日です。 - その年の出来事:シルベノートが年ごとにまとめた見出し
この年表は月次データ(月平均)で計算しています。 S&P500に○年に入れていたらの一括の計算は、年末の値(Damodaran 教授のデータと Shiller のデータ)を使っています。そのため、同じ年でも数字が少し違うことがあります。
出典とデータの扱いは、出典とデータの扱いにまとめています。
よくある質問
リーマンショックで株価はどれくらい下がりましたか
S&P500の月平均で、2007年10月の高値から2009年3月の安値まで-50.8%です。 日々の値で測ると、これより大きな下落になります。 どの数字を見るときも、どこからどこまでを、どの値で測ったかを確かめてください。
リーマンショックから回復するまで何年かかりましたか
配当なしの指数では、2013年3月に2007年10月の高値を上回りました。底の2009年3月から4年0か月です。 配当を入れ直した場合は2012年8月で、3年5か月です。
ブラックマンデーはいつですか
1987年10月19日です。 S&P500の月平均では、1987年8月の高値から12月の安値まで-26.8%でした。
世界恐慌はいつですか
1929年10月の株価の大暴落から始まりました。 S&P500の月平均では、1929年9月が高値、1932年6月が底で、-84.8%です。 配当なしの指数が高値に戻ったのは、1954年9月でした。
次の暴落はいつ来ますか
分かりません。このサイトでは、将来の予測はしません。 このページで分かるのは、過去にどれくらい下がり、どれくらいの期間で戻ったかという歴史の数字だけです。
次に見るもの
- S&P500に○年に入れていたら:自分で開始年を選んで、暴落をまたいだ場合の金額と最大下落を確かめられます。
- ゲーム「バフェットを超えろ」:1930年に生まれて、暴落の年を自分の判断で乗り越えるブラウザゲームです。